2026年7月17日、ボストン・レッドソックスは本拠地でタンパベイ・レイズを5-3で下した。1点のミスが結果をひっくり返しかねない接戦の中、左翼手ウィリエー・アブレウが5得点のうち2つを単独で生み出す本塁打を2本放った。
この日行われた全試合の平均本塁打数は1選手あたり0.15本――つまり大半の打者はこの日1本も本塁打を打てなかった計算になる。アブレウはその夜だけで2本、リーグ平均の13倍以上のペースで積み上げた。この差をzスコアに換算すると4.67に達する。これはシーズン全体を通じても1、2度あるかないかの極端な数値で、月に1度どころか週に1度のレベルでもない。2本塁打の試合自体は珍しくないが、その日のパフォーマンス分布からこれほど外れた2本塁打の夜はまず起きない。
今回の2本について、球ごとの打球速度や角度のデータはこの試合の記録に残っておらず、メカニズムを完全に説明することはできない。ただ手がかりはある。アブレウの今シーズンのハードヒット率――時速95マイル以上で捉えた打球の割合――は61.9%に達しており、リーグでも安定して強い打球を飛ばす打者の一人だ。この数値の高さは、彼がバットに当てた瞬間、その打球が力なく外野に上がるフライではなく、フェンスを越える可能性を常に秘めた強い当たりになりやすいことを意味する。
今回の2本について、球ごとの打球速度や角度のデータはこの試合の記録に残っておらず、メカニズムを完全に説明することはできない。ただ手がかりはある。アブレウの今シーズンのハードヒット率――時速95マイル以上で捉えた打球の割合――は61.9%に達しており、リーグでも安定して強い打球を飛ばす打者の一人だ。この数値の高さは、彼がバットに当てた瞬間、その打球が力なく外野に上がるフライではなく、フェンスを越える可能性を常に秘めた強い当たりになりやすいことを意味する。
この夜だけを切り取れば偶然にも見えるが、視野を広げると緩やかな積み上げの延長線上にある一撃だったとも言える。試合前のアブレウは94試合で本塁打11本、打率.263、OPS.777――27歳、キャリア3年目の選手として堅実だが際立った数字ではなかった。この試合でシーズン本塁打は13本に伸び、長打率も押し上げられた。1試合の爆発が数字を動かした形だが、それで打者としての本質が変わったわけではない。通算では369試合で打率.258、本塁打52本というキャリアは、彼が突然変異したのではなく、じわじわとこの水準に近づいてきたことを物語っている。
次の注目点はこの試合そのものではなく、タンパベイが次にアブレウと対戦する際の配球だ。追い込んだカウントで球種構成を変えてくるかどうかを見ておきたい。あわせて、今後10試合でアブレウのハードヒット率が55%前後かそれ以上を維持できるかどうかも重要な指標になる。維持できれば、この2本塁打の夜は打球の質が本当に向上したことを裏付けるデータ点になる。平均的な水準まで下がれば、今回はあくまで2スイングだけの外れ値だったということになる。
一晩で選手の評価が塗り替わるわけではないが、4.5を超えるzスコアはそれだけで目立つ数値であり、次の打席からリーグの視線は普段以上に注がれるはずだ。