2026年8月15日、カージナルスはリグレー・フィールドでカブスを8-4で下した。新人外野手ジョシュア・バエズが3本塁打を放ち、打率.170の男が見せた桁外れの一夜だった。
この試合、リーグ全体の打者は1打席あたり平均0.11本しか本塁打を打っていない。つまり大多数の打者はゼロ本、まれに1本打てば上出来という夜だった。そんな中でバエズは1人で3本を叩き込んだ。この乖離を数値化するとzスコアは8.12——野球界の常識ではzスコア3でも同一選手・同一試合の分布の上位99.9%に相当する超高水準とされるが、8.12はその物差しをはるかに超えている。シーズンに数回どころか、リーグ全体を見渡しても10年に一度あるかないかの領域だ。しかもこの3本は、バエズが今季通算15試合でここまで放った本塁打5本のうち3本を占める。デビューからまだ1カ月半に満たない新人が、一夜にしてシーズンの成果の6割を上乗せした計算になる。
データにはこの日の3本塁打それぞれの打球速度が記録されていないため、一球ごとのスイングの中身を検証することはできない。ただし今季通算の打球傾向は判明している。バエズのハードヒット率は61.8%——ボールに当たった打球の6割以上が、外野手が追いつけないレベルの高い打球速度で飛んでいるということだ。これは当てればとにかく飛ぶタイプの新人であることを示す数字であり、同時に今季22三振(15試合)という高い空振り率とも表裏一体の性質だ。パワーとコンタクトの粗さは、同じ打撃スタイルの両面にすぎない。この夜起きたのは、もともと強い打球を生み出せる打者に、たまたま仕留めやすい球が3球連続で来た結果と見るのが自然だろう。
データにはこの日の3本塁打それぞれの打球速度が記録されていないため、一球ごとのスイングの中身を検証することはできない。ただし今季通算の打球傾向は判明している。バエズのハードヒット率は61.8%——ボールに当たった打球の6割以上が、外野手が追いつけないレベルの高い打球速度で飛んでいるということだ。これは当てればとにかく飛ぶタイプの新人であることを示す数字であり、同時に今季22三振(15試合)という高い空振り率とも表裏一体の性質だ。パワーとコンタクトの粗さは、同じ打撃スタイルの両面にすぎない。この夜起きたのは、もともと強い打球を生み出せる打者に、たまたま仕留めやすい球が3球連続で来た結果と見るのが自然だろう。
バエズは23歳、メジャーデビューからまだ1カ月あまり。あらゆる新人が経験する『サンプルサイズが小さすぎて評価が定まらない』時期のただ中にいる。今季成績は打率.170、出塁率.224、長打率.491、OPS.715——生の長打力(15試合で5本塁打)が、安定したコンタクト能力をはるかに上回っている典型的な若手打者の数字だ。メジャーの球速や配球への対応途上でよく見られる形であり、快勝したこの試合での大爆発1回だけで、その緊張関係が解消されるわけではない。ただ、バットスピードとパワーがすでに『本番の試合』で結果として出ている、という事実だけは確かな印だ。
注目すべきは、この一夜を見た相手投手陣が次にどう対応してくるかだ。カブスをはじめとするナ・リーグの投手が、次にバエズと対戦する際、打ちやすいカウントでのストレートを減らし、外角のオフスピード球を増やしてくるかどうかを見ておきたい。三振がさらに増えながらもパワーが落ちなければ、それはリーグ側がバエズに対応し始めた証拠。逆に三振が減りながらパワーも維持できれば、それは本物のブレイクスルーが進行しているサインになる。
リグレー・フィールドでのこの一夜、15試合というサンプルサイズは『まだ判断できない』という注釈ではなく、見出しそのものになった。